今日のレッスンで嬉しいことがありました。

長年、僕のレッスンに通ってくれている生徒さんに、「アンディオール（バレエの外脚）の意味」が伝わったのです。

これは本当に嬉しかった。

さっきまで足が内を向くような立ち方だったのが、まるでバナナの皮を剥いていくように「ノノノノ…」とアンディオールに変化していったのです。

彼女の表情が。僕の表情ももちろん。明るい光に包まれていくようにパァ〜っと明るくなっていって…

この瞬間は本当に素晴らしいものでした！

どうしてバレエは「がに股」なの？

長年バレエを踊っていると、すっかり忘れてしまっているかのようですが。

バレエでは『アンディオール』といって、つま先が１８０度外を向くような「思い切り外旋させた脚」で立つのが、基本姿勢です。

バレエを始めた頃は「どうしてこんな不自然な立ち方をしなければならないんだろう？」とか「こんな動きにくい足の向きより、普通の前向き足の方が、良いパフォーマンスができる」などと考えていました。

もちろん今ではアンディオールのことを「その方が断然、美しい。踊る上で、確実に効率が良い」と、理屈と説明付きで、自信を持って言えます。

バレエを初めてご覧になる方はきっと「なんて不思議な歩き方なんだろう…」と思い、それがもしかすると自分の人生を大きく変えるかもしれない、すごい発見！！…とはならないでしょう。

自分には無理。アンディオールが何かの役に立つとは思えない。となってしまい、バレエを敬遠してしまうかもしれません。

でも決してアンディオールは

「ただのビックリなガニ股歩き」ではないんです。

徐々に解けていく「魔法のカギ」のよう

脚をいきなりアンディオールに捻るように立ってみて、さあバレエを踊りましょう！と試してみても、きっとうまくいかないでしょう。

これはバレエに限らず。もちろんピラティスでも、どんなことであっても。

「いきなり納得のいく答え」なんて出てきません。

アンディオールは

「どのように脚を捻れば良いか？」を考えているうちは

『正しいアンディオール』はやってこないでしょう。

体をもっともっと…引き上げてみるとか。

体をもっともっと…大きく動かそうとしてみるとか。

そういう気持ちの中から「ノノノノ…ゴゴゴゴ…」とバナナの皮を剥くように。大きく大陸移動が始まるかのように。

自分でも気づかないうちに。どこからともなく。

脚が外向きに広がっていって。さらに長く伸び出していく。

それが『アンディオール』です！

この感動を、是非たくさんの皆さんと味わってみたいものです♫