自由の先に 見える「自由な踊り」

今回で審査員として、２回目の参加をさせていただきました。

大人のためのバレエコンクール

『マダムバレエグランプリ２０２１』！！

僕はこのコンクールが大好きでして、言ってみれば「このコンクールほど、個性的なダンスを追求される事はない！」と思っています。

もちろん「バレエ」というスタイルに基づいておりますが（モダンやコンテなど創作も可）、私たち審査員は、バレエの技術を評価の対象にしていないのです！

なので「何を以て、素晴らしい踊りなのか？」をそれぞれの観点で、それぞれの工夫を凝らして、思いっきり出してこなければならないのです。

どちらかというと「芸術の個展フェスティバル」のようなものです。

許されるならば、僕も参加者になってみたいものですが、いかがなのでしょう？

大人バレエコンクールのポイント

バレエのコンクールの審査と言いますと、これは昔からそうなのですが、「バレエは芸術」ですから、誰かが一律に決めたような審査ルールなどは無く、あくまで「審査員の個人的な評価」に基づいて、優劣が決められてしまいます。

世の中にはたくさん人がいて、質素でおしとやかなものが好きな人もいれば、派手で大騒ぎなものが好きな人もいるように、バレエのどういったところが好きなのか？は、正直なところ審査員の中でも、意見が大きく変わってくることもあります。

ですから、何がピンポイントで上手だったら一位になれるのか？といった基準はないのです。

逆の発想になりますが、何か一つだけ飛び抜けて上手だったりしても、芸術的に考えると「違和感」に見えてしまうこともあります。

例えば、ピルエットだけ器用にクルクル回れるとか。スタイルやお顔が抜群なのに踊りはガクガク…とか…。

では何を練習すれば良いのか…？

僕が見ているポイントで大きいものは「目」です。

「目なのっ？！！」と思われるかもしれませんが、目を見ればかなり色々なことが分かってしまいます。

まずその人が「素の自分」であるか、「舞台の自分」であるかの違い。

審査員席からは、まばたき一つでも全部見えてしまいますが、客席の後ろの方から見たとしても分かるほどの「目の使い方」というものがあります。

上手な人は「遥か彼方の何か」を見ているような目になっていると思いますが、それは同時に「そこにいる人すべてに目を向けている」かのような雰囲気を感じるはずです。

これは是非、研究してみて下さい。

そうすることで、今まで見えなかった自分の器量や技量が、どんどん奥深く見えてきて、どんどん掘っていきたくなってくるはずですよ。

またの機会に、目の中の輝きが増えた皆さんの踊りを、楽しみに見させていただきます。