ずっと「自分の足」がコンプレックスだった

先日、のぶ先生が「足」についてブログを書いていたので、足つながりのお話を少ししたいと思います。

私はずっと自分の足が好きになれませんでした。

バレエ団に入ってからは尚更、周りに美しい足のダンサーがわんさかいましたから、若い頃は自分の足がコンプレックスでしかありませんでした。

くるみのプリンシパルをはじめて踊らせていただいたとき、ステージリハーサルで

「Kyoko、つま先伸ばしてー！！」

と、客席からマイクでバレエミストレスが叫んだのを今でも覚えています。

いやいや、これでも頑張って伸ばしてるんだよ…（泣）

プリンシパルを踊らせていただいているのに、そんな注意をされることが恥ずかしくて、情けない気持ちで一杯になりました。

自分の足を好きになる

でも、私の周りにはものすごく美しい足をした素晴らしいお手本がたくさんいたんですね。

その中にはもちろん、

元々そういう足でそれを活かす方法を知って使っている人もいれば、ただ持っている宝を持て余している人もいる。

そして、もともと美しくしなやかな足でなくても、自分の足をどう使えば美しく見せることができるのかを研究し、知り尽くしている人もいました。

日々そういうダンサーたちの足の使い方を穴のあくほど見つめ、気がついたことをとことんやってみました。

今思えば、平日一日8時間、踊るためだけに時間を過ごせたことは本当に宝物。

そうやって日々考えては稽古する、やってみるを繰り返していくと、いつの間にか自分の足をすごく丁寧に動かしていて、そこにどんな思いを込めたいかということを自然にやっている自分に気がついた。

中足骨を骨折して4ヶ月休んだとき、踊りながらピラティスの勉強をしていたのぶ先生がリハビリを助けてくれて、自分の体を見つめ直すこと、趾を考えて使うことの大切さを教えてもらった。

何年もかかったけれど、今私は自分の足が大好きです。

私にとって、勲章みたいなものなのかな。

私にとってバレエを踊る、ということはそういうことなんだと思います。

自分が持って生まれた体はギフトであり、個性そのもの。

大事に扱い、目をかけて育ててあげれば、きっと応えてくれます。