『自分』って何でしょう？

今回はちょっと複雑で理解しにくいけれど、分かるとかなりレベルアップできるかもしれないことをお話します。

皆さんは自分のことを、はっきりと『自分』だと言い切れますか？

僕たちは長くプロのバレエダンサーとして、数々の舞台で様々な踊りを経験してきました。初めて舞台に立ったころの事はちゃんと憶えていますし、プロになってからもたくさん経験を積むまで、いっぱい緊張もしましたし、上手く踊れているか心配になったりしましたし…。

今になって思えば、生の舞台で踊っている瞬間はいつも「心、ここにあらず」といった感じで、今回のこのお話のテーマである『自分』から、良い意味でも悪い意味でも、遠く離れた存在になっていたような気がします。

でも最近では経験を積んだからか、慣れたからなのか…。よりはっきりと『自分』を感じて、より『自分らしさ』を出せる舞台ほど、素晴らしい出来になっているような気がします。

それは人の踊りを観る時も同じ。一生懸命なのは分かりますが「我、ここに無し」な踊りはやっぱり「空っぽ」に見えますし、『自分』をすごく上手に出して踊っているダンサーは本当に稀な存在で、そんなダンサーをもし生で観れる機会があればすごくラッキーです。見ているだけで「心奪われます」よ。

自分を『自分』だと感じることから

自分の「体」を感じてみましょう。その「体」をはっきりと『自分』だと思えますか？

腕も足も『自分』ですし、胸の奥で波打つ心臓も『自分』。指先に生えている爪の一つ一つも、頭に生える髪の毛一本の根っこから先っぽまでも『自分』です。

動きを止めて、集中して感じてみると、この「自分を見つめること」の奥深さが分かるはずです。

背骨なんて、体の中に一本どデカく通っている、かなり立派な『自分』ですよね。

でも忙しく過ぎていく毎日の中で、かなりの高確率で、みんな『自分』のことをフッと忘れてしまうことってありますね。そういう時って、『自分』ってどこにいってしまうんでしょう？不思議に思いませんか？

考え事に取られている時も『自分』は姿を消してしまいます。そういう人は、端から見ると「頭がない」状態になっていて、それが伝染したかのように、腕も足も体も無くなっていくように見えます。

その状態で踊っている人の腕や足や体は「命の入っていない物」を振り回しているようにも見えてしまいます。

ちょっと酷な表現をしてしまいましたが、それでも思い当たる、腑に落ちるところがありませんか？僕も人間ですから、大いに感じるところはあります。

「自分の体は、命の入った自分自身なんだろうか？それとも肉体というただの物体なんだろうか？」って。

それを改めて「これは『自分』なんだ」って感じて上げることで、また新しい道はどんどん開けていくものだと思います。

マインドフル・ストレッチ

今月はじめての特別クラスですが、京子先生の

『マインドフル・ストレッチ』が行われます。

今回のテーマにぴったりの「自分探しのレッスン」となりますので、是非お試しくださいね♪