そんなに回って 目が回らないの？

先日レッスンにて。

シェネというグルグル回りながら

進んでいくエクササイズを取り入れたら

「目を回して 転んでしまった生徒さん」

がいました。

もちろんご本人は恥ずかしそうなご様子でしたが

僕はとっても素晴らしいと思って

微笑ましく見ていました。

大人になってバレエを始めて

目が回って転んでしまうほど

一生懸命に回ってみることって

とても勇気のいることだと思うし

とても素晴らしいことだと思います。

僕も今まで踊ってきた中で

グルグル回って、思い切り目が回って

すっ転んだこともありますし

勢いよく脚を振り上げたら

軸足をすくわれて体ごと宙を舞い

気が付いたら床の上で横になっていた

なんてことも何十回も経験してきました。

目が回るほどに回ってみないと 掴めない感覚

ピルエットなどの回転テクニックとして

バレエには「はっきりとした回転技」

のようなものが幾つか存在しますが

それらの特徴的な技をする時のみ

「突然クルクル回る」というわけではなく

回る、とか

回す、とか

回っていくとか、回していくとか

基本的な動きの中にある

「流線（カーブ）を描いて進む＝回る」

という要素は

避けては通れない道にあります。

「目が回ってしまう」というのは

下手をすれば転んでしまうし

やりすぎると気分も悪くなるし

誰にとっても不快な感覚であって

できれば目なんか回したくもないはずです。

でもそこで

「目が回るのは嫌だから」とか

「目が回るのが怖いから」という

避けて通ろうとする気持ちが

勝ってしまったら

「回転する感覚」は永遠にやってこない

という、悲しい未来があります。

実はみんな 目は回している

絶対に目が回らないで回転をする方法

なんて無いと思います。

うまいこと言ってみれば

「グルグル回っていく方向に、目を回していく」

となります。

上手な人は

「目が回らないように回っている」のではなく

「目が回ることに慣れている」

と捉えた方がいいでしょう。

人は、傾きや揺れなど

バランス感覚を「三半規管」で捉えます。

それを「うまく波に乗せること」で

バランス感覚が良くなっていき

「波が荒れるようなこと」があると

バランスも動きも制御できなくなります。

そこら辺の詳しいところは

また来月あたり「ペットボトルで筋トレ」の

特別講座でもお話しします。

目が回らないように回ってみればみる程

回る感覚からどんどん遠ざかってしまうので

まずは回っていく方向に

エネルギーを注ぎ込んでいきましょう。

練習する際には

「身の回りの安全を確かめてから」

を忘れないようにね♫